エネルギーのトラッキング

mixed electricity in the grid

エコエナジーにとってクリーンエネルギーの電源が信頼できる方法で追跡できることはとても重要です。トラッキングできることによって

  • エネルギーが私たちの持続性基準を満たす形で生成され
  • 再生可能エネルギーの環境価値の二重カウントを防ぐ

という2つを保証することができます。

企業のあいだでのグリーンエネルギーを調達することへの関心は高まっています。そのため各種のトラッキングシステムが様々な種類の再生可能エネルギーに向けて制度化されています。エコエナジーも再生可能電力、再生可能ガス、そして再生可能熱源のトラッキングがどのように行われているかを常にフォローしています。

以下のセクションでは詳しい情報やエコエナジーでの電源証明に使用できるトラッキングシステムの概要などを説明しています。

電力のトラッキング

電力を送電網を辿って追跡することは困難です。発電所で発電された電力はその電源が化石燃料かクリーンであるかにかかわらず送電網で混ざり、消費されます。そのため「事前予約」的なシステム(EUでのGuarantees of OriginやI-RECsなど)が開発され、電力消費者が一定の量の再生可能エネルギーを自分のものとして主張できるようになります。これらは発電者が発電量、電源種別などを登録することができるデータベースで、電力消費者はこのデータベースからグリーン電力の一定量を自分のものとして主張することができます。電力属性証明書はこの再生可能電力の購入を証明するものです。グリーン電力の購入にはこれらの証明書を通した発電源の証明が不可欠です。

トラッキングシステムの目的は消費者への周知と二重カウントの防止です。二重カウントの防止は特に重要で、他の電力消費者が同じグリーン電力を自分のものとすることがないように保証するものです。

エコエナジーでは、再生可能な電源からの証明書が使われている必要があり、その無効化(消費)は温室効果ガスプロトコルのスコープ2に準拠した形で行われている必要があります。エコエナジー付きの電力を使用することで「スコープ2の報告においては、すべての市場ベースの契約に基づいた環境価値調達手段は消費されるタイミングと可能な限り近い期間に発行されていなければならない」「それらは報告する法人の電力消費が行われるのと同じ市場から調達されなければならない」(英語原文60ページ)という2つの条件を満たすことが保証されます。

Guarantees of Origin

ヨーロッパにおいてはトラッキング証明書はGuarantees of Origin(GO)と呼ばれます。国ごとのGOレジストリは規制機関や送電網運営者などそれぞれの国で定められた団体が運営しています。エコエナジーではEUでの電力トラッキングにGOを使うことができます。
GOの法的根拠としては、2009年4月23日制定の再生可能電力利用の促進を目的としたEU指令2009/28/ECの第15条に定められています。2021年以降はこれに変わって2018年12月11日制定の新しいEU指令である2018/2001の19条が根拠となります。

RECs

アメリカ合衆国とカナダにおいてはREC(Renewable Energy Certificate)の所有権が再生可能電力使用のために不可欠です。RECsは任意市場とコンプライアンス市場の両方において使われています。アメリカ合衆国ではRECsは州、連邦の各政府、地域の電力送電機関、NGO、また司法当局の支援を受けています。詳しくはCenter for Resource Solutionsの報告書「The Legal Basis for Renewable Energy Certificates」(PDF)をご覧ください

I-REC Certificates

International REC Standardは属性トラッキングシステム(RECシステム)を世界各地で提供する非営利団体です。

エネルギーエコラベルとしてエコエナジーはI-RECsと協力して、トルコ、中国、インド、ブラジル、メキシコ、インドネシア、南アフリカなど現地政府による類似システムの提供のない地域での信頼できるトラッキングシステムを導入してきました。IRECレジストリに参加している国の一覧はIRECウェブサイトから見ることができます。

国ごとの電力トラッキング証明書

エコエナジーは二重カウント防止、情報の透明性の確保などの私達の基準に合致していれば、上記以外のトラッキングシステムを通したラベルの付与を行っています。複数の証明書制度の組み合わせも可能ですが、二重カウントは確実に防止されている必要があります。

証明書に関した手続きは電力消費が行われる国によって対応が異なります。なにか不明な点がありましたらいつでもエコエナジー事務局にお問い合わせください。

日本:現在CDPではJクレジット、グリーン電力証書と非化石証書の3つを使用することができます。将来的には非化石証書が日本でのメインのトラッキングシステムとなることが予想されています。エコエナジーはRE100とCDPの受け入れ状況や日本での電力市場の変化を常に追っており、現在同じく3つの証明書制度を使用することができます。

台湾:市場での慣例ではI-RECsを使うことが推奨されていますが、エコエナジーでは台湾でのRECs制度も使用できます。

オーストラリア:オーストラリアにおける再生可能エネルギーの発電と販売はオーストラリアのRECs制度によって行われています。これにはSmall-scale Technology Certificates(STCs)とLarge-scale Generation Certificates (LGCs)が含まれます。オーストラリアのこれらのRECsはエコエナジーのラベル付き電力のトラッキングに使用することができます。

現地発電、電力販売契約(PPA)と電力契約

再生可能エネルギーの調達方法として、グリーン電力契約以外にも現地発電、PPA、電力から切り離された証明書の購入があります。いずれの方法でもエコエナジーのラベルが付与されているということは二重カウントが防止されていることになります。つまり発電された電力が送電網を通して消費された際、電力消費者は以下の条件を満たしている場合のみ再生可能電力を使用したと主張できます。

  • 電力属性証明書がその発電された電力に対して発行されていること
  • その証明書が電力消費者の名義で消費されていること

現地発電の場合は通常、送電網を経由せずに直接消費者に送電されるため、追跡証明書が発行されません。しかしもし証明書が現地で発電された電力に対して発行されている場合、二重カウントを防止するためにこの証明書が消費者の名義で正しく無効化または消費されている必要があります。詳しくは自社発電設備とエコエナジーのページをご覧ください。

再生可能エネルギーを調達するための様々な方法については、 SolarPower EuropeとRE-Sourceによるオンラインセミナー「Renewable corporate sourcing: a crash course」の 3:43から15:45をご覧ください。

証明書の輸入・輸出

エコエナジーでは電力が消費される市場と同じ市場で発行された追跡証明書のみを認めています。またエコエナジーの基準では消費者が購入する電力がどの国で発電されたかを伝える必要も定めています。

エコエナジーのラベル付き電力はCDPも支持している温室効果ガスプロトコルが定める基準に準拠しています。追跡証明書が調達できない国々においては、柔軟な対応が市場への正しいメッセージを発信し、将来的に信頼性のあるトラッキングシステムの構築の促進につながると考えます。

エコエナジーの基礎文書である「EKOenergy – Network and label」の10.2章と10.3章に発電国とその電力の消費が発生する国が違う場合について定めています。

再生可能ガスのトラッキング

tracking of renewable gas

エコエナジーは再生可能ガスに使用でき、関心のある市場関係者すべてが使用でき、二重カウントを防止する信頼できるトラッキングシステムと協力することを模索しています。

理想的なシステムとしては各国それぞれにおけるガスの種類それぞれ(バイオガス、Power-to-gasなど)に対して一つのトラッキングシステムを認めることです。詳細については事務局までお問い合わせください。

その国でトラッキングシステムが存在しない場合、エコエナジーの理事会は販売者が提案するトラッキング手段を評価します。それらシステムを使用した認可は一時的なものになります。公的なトラッキングシステムが導入された場合は民間のシステムによる認証は公的なもので置き換えられます。

エコエナジーでは現在以下の2つを認めています。

  • EUにおけるすべてのバイオメタンガスの登録簿
  • CertifHyの提供する水素ガス向けのGuarantee of Originシステム

再生可能ガスのトラッキングに関する詳細はエコエナジーの再生可能ガス向けの基準文書第5章をご覧ください。

再生可能ガスに関するエコエナジーのパンフレットその他の基準についても合わせてご覧ください。